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探偵になりたい。ぼくの夢のひとつです。「依頼人に応える」という意味では、コピーライターもわりと探偵っぽいのかもしれないなあと。難題になればなるほど、ハードボイルドな本能がウキウキと目を覚ますのです。どこからともなく、探偵ドラマのBGMが聴こえてくるのです。『adidas』さんの仕事も、探偵になったつもりでドキドキさせていただきました。まず、はじまりから奇妙で…。ぜんぜん違う2つのルートから「手伝ってくれませんか?」と依頼が来て、よくよく話を聞いてみると、「あれ?これ、どっちも同じ話じゃん!」と見えてきたのでした。そんなこと、後にも先にも、このときだけです。なんだかミステリーのはじまりっぽい。依頼内容は、どうやらイベントのタイトル決めが難航しているとのこと。いつものように足を使いながら、一生懸命に頭と心を働かせながら、ひとつずつ謎を解き明かし、なんとか依頼人の役に立つことができました。が、決まった案は、メインの案以外にぼくが手描きでサッと描いていたものをデザイナーさんがこっそりピックアップしてくれていたものだったという、まわりの皆さまに助けていただいてばかりの、へっぽこ探偵らしいエピソードとなったのでした。渋谷のキャットストリートで行われた当日のイベントには、あのスタン・スミスさんも来ていました。まだご存命の方とは知らなかったので、とても驚いたのを覚えています。ちなみに「好きダス」というのは、ぼくがいちばん実現したかった案です。いつか世にだせるといいなあ。「好きダス・ポーズ」まで考えていたのになあ。